2010年12月8日

住まいは日々酷使する日用品ですから

■前回に続き、アフターケアについてのお話です。
お引き渡しして2年になるE様邸に、定期点検にお邪魔しました。
クルマの始業点検で、タイヤ、ラジエター液、ブレーキオイル、エンジンオイル等をチェックするように、スマイズの点検も、水回りのチェックに始まるルーティンに従って問題の有無を確認したうえで、お施主様にヒアリングします。
伺えば、フローリングの一部に、埃が線状に付着し、落としにくいとのこと。
点検すると、フローリング敷設後、専門用語で「養生」というのですが、その後も続く施工によってフローリングが傷つかないよう保護するパネルを、固定するテープのノリ跡が一部残っていたことが原因のようでした。
E様邸のフローリングにはメープル(楓)の、無垢材を採用しました。白木で、柔らかい材なので、E様も、強い洗剤を使うと痛めるのでは、というご心配もお感じのようでした。こういうケース、プロの方なら「あれ」と、思い浮かぶでしょう。然り、ドイツ・リボス社のメンテナンスオイルを取りだし、ノリ跡ごときれいにしました(写真)。
もちろん、今回の場合、ノリ跡を残さない仕上げをすべきだったのですが (反省)、住まいは日々酷使する日用品ですので、クルマと同様、使いっぱなしでは多かれ少なかれ問題が発生するものです。日々の手入れが必要。それが快適な暮らしと、ランニングコスト低減をもたらします。
不肖五味、偉そうな言い方を許していただければ、アフターケアは、簡単で、お金もかからない「メンテノウハゥの伝授」だと考えております。

2010年12月6日

お子さまの成長とともに、変わりつづける「白い箱」

スマイズのキャッチフレーズ例です。
造りこむことも、住まいづくりの一法ですが、造りこむことはしばしば、使い勝手を限定し、住まいの可塑性を奪ってしまいます。
住まいは、家族をしっかりと、鷹揚に受け容れる、フレキシブルな箱であるべきです。
よい意味での曖昧さがないと、住まいは、ご家族と成長とともに変化してゆけません。
スマイズのお施主様は、30代の若いご夫婦が多いです。
第一子のご出産を控えておられるとか、まだ小さいお子さまをよりよい住環境で育てたいから、という理由で選んでいただいております。
竣工後、とくにご要望が無くても、年に一度、点検に伺っているのですが、いつもおどろかされるのはお子さまたちの成長です。伺う度に、勉強机のサイズや、本やオモチャが変わっています。「白い箱」である部屋も、壁のデコレーションや、間取りが変わったりしています。お子さまのご成長、それとともに変化しつづける住まい。それらを、年に一度見るのは大きな楽しみです。
■写真は、つい先日お邪魔したS氏様邸、9歳の娘さんの部屋。ピンクの椅子は彼女がIKEAで選んだもの。壁のデコレーションとカーテンはお母様の手製。

2010年11月17日

ただいまSUMiZ 3邸が並行建築中であります

■ご無沙汰しております! 久々のブログです、えー、4ヶ月ぶりの……(汗)
ただいまSUMiZ 3邸が並行建築中で、監理もろもろで現場を飛びまわっており……いや、言い訳は止めておきます。
この多忙な日々のなかで、新たな問題意識、問題解決法が浮かぶなど、Blog ネタはしっかり仕込んでおります。ペースをつかんで、コンスタントにアップするようにせねば、と思っております。
並行建築中の物件は、SUMiZ 鵠沼海岸、森戸、大口(横浜市神奈川区)。来月は上菅田(横浜市保土ヶ谷区)の上棟が控え、明けて1、2、3月には前者3邸が次々と竣工します。
"TOUCH SUMiZ DAY" も9月以降開催できておりませんが、上記4邸のお施主様にお許しをいただき、1邸でも多く、皆様にご体感していただきたいと思っております。
感触、空間感、DESIGN の哲学と便益……SUMiZ と他との違いは、現場で体感されないとわかりませんから。
写真は不肖五味のノートです。いつもこのように広げて、お客様の潜在的ご要望まで聞きとろうとしております。

2010年7月17日

システムキッチンでも、フルオーダーでもない、第3のアイデア


■注文住宅といえ、キッチンはシステムキッチンにせざるをえないだろう。妥協せずに、オーダーメイドという手もあろうが、この予算では……。と、あきらめてはおられませんか?
残念ながら、それが現実です。一般的には。
しかし、不肖五味は思うのです。どんな分野であれ、お客様に、
「なるほどっ、その手があったかっ!」と、驚きと利益を提供するのがプロではないかと(^^ゞ
「家庭の中心は、お母さん、キッチン、食」、スマイズのポリシーのひとつです。
キッチンは、住まいの重要設備。スマイズが提案するオプションのひとつが "Custom Skeleton Kitchen" です。
写真をご覧ください。住まいとともに、妥協せずに、建築家が設計し、現場で、腕の良い大工が製作したものです。
キッチンには、4つの要素があります。1) クッキングカウンター、2) レンジなどのクッカー、3) 水栓とシンク、4) 食器や調理器具などの収納。
この提案では、4) の収納が割愛されています。そこは、センスのいいワゴンを選ぶなり、見せる収納を工夫するなり、お施主様が、使い込みながら、楽しみながら仕上げてゆくのです。このキッチンは、原型、骨格(Skeleton)なのです。(ですからこのキッチンは万人向けではなく、お施主様のご希望を前提とします)。


収納まで造りこむと家具工房にオーダーしなければなりませんが、スケルトンの場合、前述のように現場製作可能で、コストがかなり抑えられます。もちろん水栓やクッカーなど設備は最適なモノを選べます。この例では、クッカーは、ゴトクなどデザインが秀逸で、ダッジオーブン的調理もできる、リンナイのハイエンド・ガスコンベクション(左写真)。水栓はグローエ、浄水器は──飲料や料理に使う水ですから、SUMiZ では標準装備──ビルドインです。
カウンターワイズは実に360cm(!)、その天板は、表面仕上げなどまで細かく指定したステンレスの一枚板を、シンクごとプレス一体成形したもの。脚は米松の無垢材。10年20年と使い込むうち、いい風合いになるはずです。

……とはいえ、SUMiZ は、 "Custom Skeleton Kitchen" やフルオーダーキッチンのみならず、場合によっては、ニトリの15万円のシステムキッチンを採用することもあります。

なんでもあり、ではありません。お施主様のニーズ、コストを読み込み、「編集」したうえでの「最適解」です。

■このキッチンは、
SUMiZ 矢部の丘の例。類例としてSUMiZ 鵠沼海岸。フルオーダーキッチン採用例はSUMiZ 妙蓮寺。あわせてご参照下さい。

2010年7月11日

"頭のよい子が育つ家"


■住宅関連の勉強会に参加してきました。そのプログラムのひとつ、"頭のよい子が育つ家" コンテンツは、SUMiZの住まいづくりに相通じる部分が多く、意を強くしました。

同コンテンツは、有名私立中学に入学したお子さまがいる約200世帯の、住まい、家庭について10年間にわたり調査し、まとめた、書籍および住宅、そのソフト・ハードウエアです。
講演では、10歳児の作文をケーススタディとして紹介していましたが、頭が良い、というのは受験秀才であるというより、他人の立場で考えられるとか、素直で、意欲や創造性があるということと理解しました。
講演は言います。 "頭のよい子" を育てるのは、静かな個室ではなく、「五感が満足できる空間」だと。孤立せず、家族のコミュニケーションを促し、お母さんが作る夕餉の湯気を感じ、お父さんの背中が見える家だと。
具体的には、リビングでのお母さんとテレビと子供の位置関係、子供部屋なるものの定義……、ご興味がおありでしたら同ホームページを参照ください。
http://www.spaceof5.jp/about/episode.html

そうなのです。断熱性や耐震性以上に大切なのは、その住まいで、毎晩どんな気持ちで家族で食卓を囲めるか、毎朝どんな気持ちで眼を覚ませるかということです。だからSUMiZ は、HOUSE DESIGN ではなく LIFE DESIGN と謳い、志しています。住まいは、長時間そこで過ごす「環境」ですから、当然、家族の肉体的精神的健康を大きく左右します。

SUMiZ では、たとえば "Family Dining" をしばしば提案します。
「家庭の中心はお母さん、キッチン、食。調理が、家事ではなく団らんになるダイニング」
http://sumiz.jp/whats/7_rules.html

どんな住まい、暮らしを実現するかは、お子さまを、どう育てるかということとイコールです。

私自身、まだ幼い2男の父親です。ちょっと(かなり?)無理してSUMiZ を建てたのも、のびのびと──有名中学にはとくに入ってくれなくても良いから──願わくば "頭がよい子" に育ってほしいからです。

2010年6月30日

"TOUCH SUMiZ DAY"、次のイベントは ”LIVE”


■御礼が遅くなりました。6月、矢部での"TOUCH SUMiZ DAY" への、たくさんのご参加、ありがとうございました。15組ものお客様にお申し込みいただき、第2、第3週末とも、ほぼすべての時間帯が予約で埋まりました。梅雨時なのに、天気にも恵まれ、五味、やはりこの事業は天にも祝福されていると確信した次第です。(^0^;)
住まいは、写真や文章だけでは語れません。建材の質感、風や自然光、開放的なのにプライバシーを守られている安心感……。
その空間のなかにステイしなければ分からない──ステイすれば、五感で、一瞬でわかる──ものです。
したがって、SUMiZ を、そのように、その空間で体験していただくことは、もっとも嬉しい。嬉しさゆえに、汗だくで熱弁させていただきましたが、いまになって心配しているのは、熱くなりすぎて、お客様は暑苦しかったのではと……。
ともあれ、建て売りや大手ハウスメーカーのそれらとは全く違う、建築家が設計した住まいの居心地、設計のフトコロとディティールに、皆様、眼を開かれたようで、熱心にご質問をいただきました。
この矢部の家、専用設計手作りの、幅360cm のキッチン、スチールのロフトタラップ(写真)など、特徴的な設備も。近日中に詳細をアップしますのでぜひご覧下さい。

"TOUCH SUMiZ DAY"、次のイベントは ”LIVE”を計画しています。

 ”LIVE”は LIFE の現在進行形、つまり、ご家族がお住まいの SUMiZ をご体験いただこうと思っています。
SUMiZ メリットのひとつに「30年スパンのコストパフォーマンス」があります。
竣工は完成ではなく、始まりです。イニシャルコストを抑えた、包容力のある、暮らしの「器」をご提供し、お施主様が、楽しみつつ完成させてゆく。
易リフォーム性(お子さまが成長したら簡単に個室を設けられる等々)により中長期的コストを抑える……それら「時間軸設計」および、数値化できない SUMiZライフのヘルシーさは、”LIVE” でないと伝わりません。
近日中にご案内いたします。ご期待下さい。

2010年6月22日

メンテも高品質でなければっ!


■08年8月竣工、SUMiZ 鵠沼海岸ビオトープにお住まいのT様から連絡があり、水栓金物の点検に伺いました。
天気良く、波音が届き、屋敷街はしんと静まり、こんな日はことに、鵠沼の心地よさを感じます。玄関を開けると、けたたましくもかわいい、トイプードルのクーニーちゃんの鳴き声、熱烈な歓迎をしてくれました。
クーニーちゃん、実はシロートではなく、 HONDAのWEBサイトでモデルとして活躍中。サイトを見せてもらうと、はいはい、HONDA DOG として、 新型CR-Zを紹介されておられました。

そう、水栓。
キッチン水栓スパウトを引き出すときの金属音が大きいとのご指摘でしたが、若干の取り付け位置の調整だけでほぼ解消しました。とはいえ私の働きではなく、同行していただいた技術者の手腕です。
SUMiZ の多くは、ドイツ GROHE(グローエ)社の水栓を採用しています。
ブランド志向とかではなく、同社の水栓が、堅牢、質実、デザインが良いからです。
(それゆえ、グローエ社の水栓は、各国の一流ホテル多数で採用されています)

一般的なそれらに較べると高価ですが──品質からすれば妥当──、20年30年と、毎日何回も使い、眺め、触るものです。そういうものに、多少の投資をするのは贅沢ではなく、生活のコストパフォーマンスを上げる、かしこい選択だと思います。
照れずに言いますが「 SUMiZ も、然り」
その、グローエ社の技術者氏、調整を終え、漏水チェックをしつつ専用の薬剤でぴかぴか
に磨き上げ、指紋をつけないためか、白手袋をつけて最終チェック。メンテナンスも高品質でなければっ! と、不肖五味、改めて学んだ次第です。
さすが、GROHEのメッキは高品質で、新品のようになりました(写真)
水栓も綺麗になりましたが、T様、本当に、綺麗に、そして「楽しく」お住まい頂き、感激しました。

2010年6月9日

木造なのに屋上緑化。芝生のルーフバルコニー


■この初春に竣工、お引渡しをさせていただいたS様邸に、書類を届けに伺いました。

S様邸、光庭を挟む東西のツインルーフバルコニーとし、西側のそれはウッドではなく芝生、つまり屋上緑化しています。(詳しくはこちら)
木造住宅の場合、防水の問題で、屋上緑化は一般に難しいのですが、スマイズの場合、剛床構造により、躯体の強度、剛性を高めているので、防水層に負担がかからず、ルーフを全面バルコニーにしたり、緑化したりが可能になるのです。
屋上緑化は断熱性を大いに高めるなどエコで、現在、助成も受けられます。
S様邸も藤沢市の助成対象になり、その勉強がてら、五味が代理申請させていただきました。

芝生のルーフバルコニー、初春の竣工時にはまだ用土が沈着しておらず、茶色でした。

ところが今回、写真をご覧下さい、一面の新緑!
そのうえ周囲に高い建物が無く、江ノ島、相模湾、丹沢、富士山……を望む全天全周のパノラマが、芝のバルコニーの気持ちよさを高めています。

「芝刈り機買わなきゃ」
と、お施主様の嬉しい悲鳴、お施主様の歓びは五味の歓び、しかし嫉妬も交じるフクザツな気持ち。……いいなァ、裸足で芝を踏み、子供たちとゴロゴロしたり。あぐらをかいてビール飲んだら旨ぇだろうな……。

S様邸は、アプローチも芝とし、天然石を敷きましたが、こちらは日当たりの差でしょうが、あまり青くありません。住まいのなかで自然を感じる、住まいと自然が連続している環境は、なにより上質です。いや、自画自賛ですね (^_^;


「思い込みや、先入感で、住まいづくりの選択肢を、狭めておられませんか?」

"TOUCH SUMiZ DAY" キャンペーンで、そのように申し上げましたが、木造住宅でも、
──例えばスマイズであれば──ルーフ全面バルコニー、全面緑化も可能なのです。

お施主様のなかにも、ご予算の関係で、ルーフバルコニーをトップコート(防水仕上げのみ)とされているケースがありますが、余裕ができた時点で、アマゾンジャラを敷くも、芝生で緑化するも良し。

施工も比較的簡便で、ご予算もそうかからず、断熱性アップによる空調費の低減など
具体的なメリットもあります。

■写真註:中央の箱形は2F LDK に落ちるトップライトです。ガラスの天板で、BBQテーブルなどに使えます。写真では見えませんが、散水等に便利な水栓とボウルも。

2010年6月5日

優先すべきは「資産価値」ではなく「実生活の質」


■現在、敷地探し、住まいづくりに取り組んでおられる皆様、土地の「資産価値」という呪文、不動産業者のセールストークに惑わされていませんか?

それも大切な検討要素でしょう。ですがあなたは、将来、その土地を転売し儲ける目論見をお持ちですか?

分かりやすいよう、やや単純化して説明しましょう。

ご予算5000万として、資産価値がある(?)土地に3500万費やすと、住宅には1500万しか充てられません。
いくら南側の角地でスーパーが近くても、低品質の、快適ではない住宅に、35年間住宅ローンを払いながら住まい続けなければなりません。空調費や、リフォームや、場合によっては建て替えなど、時間軸上のコストも嵩むでしょう。
人生に重くのしかかる、これほど高い買い物はありません。

SUMiZ なら2500万の土地を探し、2500万の住宅を提案します。
傾斜地や、旗竿、ウナギの寝床型など不整形の敷地は人気が無く、比較的安価に入手できるチャンスがあります。
SUMiZ の利点のひとつは、設計士ではなく建築家が設計することです。
その手腕により、敷地の問題を魅力に転じる住まいを実現します。
建築家の腕が鳴る条件下、その能力を120%引き出し──建築家起用メリットをより活かし──お施主様の利益を最大化するのです。
優先すべきは「資産価値」ではなく「実生活の質」です。
これまでもそういう方針で仕事を重ねてき、上記のような典型例では──お施主様ご所有の敷地に新築など──ありませんが、作例を何邸かアップしています。

■SUMiZ 鵠沼海岸 空と土のシェルター
■SUMiZ 篠原東 ライフアミューズ
■SUMiZ 披露山グリーンハウス
etc

不肖五味、実は元不動産営業にして、宅地建物取引主任者でありまして、この、

「敷地探し + 土地と建物の最適コスト配分 + 長期的に、生活の質とローコストを維持する住宅設計」……長っ!(^_^;)
を、SUMiZ の主要なサービスとひとつとして、明快に加えようと思っています。
本日も、現場への往路と復路周辺の土地を、20件ほど見てきました。
ただ、建築が難しく、ゆえに割安、なだけの土地であればいいわけではありません。
たとえば急傾斜地だけど、眺望が良いなど、何かしらの美点がある敷地を探しています。
(そう簡単に見つかるものではないですが)

近日中に、新サービス具体の解説がてら、過去の典型例をアップする予定です。乞うご期待。

※写真はイメージです。

2010年5月26日

新しいこと、ふたつ、始めます


■申し訳ありません、たくさんの、楽しみにして下さる方々(?)の、ご期待を裏切り、長々とブログ更新をさぼっておりました _(_^_)_
不肖・五味ひとりで、営業、コストコンサルティング、施工監理、アフターケア、雑用等々こなしており、竣工ラッシュの3月4月はいっぱいいっぱいでした。

ブログは滞っておりましたが、SUMiZプロジェクトは着々と進行しています。
まずは、6月第2、第3週末開催の、"TOUCH SUMiZ DAY" @仮称SUMiZ矢部の家(横浜市戸塚区)くわしくはこちら。

住宅展示場に行けば日に数邸ご覧になれるでしょう。
"TOUCH SUMiZ DAY" では1邸だけ。そのうえ、あるお施主様のために特化した注文住宅です。なのになにゆえご足労頂く価値があるのか?

SUMiZ は、横浜の工務店と、建築家事務所のハイブリッドです。私たちの仕事をご覧いただきたいのはもちろんですが、お客様がご存じなかったであろう選択肢と、その合理性、設計、細部等々を説明させていただき、住まいづくりの、視野を広げていただく一助になればと思っております。

すでに12,13日は、ご相談いただいている方や、このサイトからのご予約をいただいており、19,20日と合わせ、沢山の方に、目からウロコを落としていただこうと (^ー^;
張り切っております。

SUMiZは、施工棟数や売り上げなど量的志向ではなく、偉そうな言い方をご容赦願えれば、日本の住まいの質、意識を高めることを、使命としております。
その一環として、新たな構想を思い立ち、"Immobilier de SUMiZ”と仮称までつけて一人盛り上がっております。近日中にこのサイトで発表できると思いますので、ブログ──今後はコンスタントに更新してゆきますっ!──ともども時々チェックいただけるとうれしいです。

■写真は、"TOUCH SUMiZ DAY" の矢部の家です。施工順調で、間近に迫った竣工が楽しみです。

2010年3月1日

ときには、既製のユニット品も使います



SUMiZ は多くの場合、建具やキッチンも、ひとつひとつ設計し、手作りします。その住まいにぴったりの、サイズや風合いや機能を満たす既製品はありえず、「ないものは造っちゃったほうが早い」からです。


とはいえ、お施主様とプランを詰めてゆくうえで、既製の、キッチン、バス、洗面ユニットなどを採用することもあります。なんでもかんでも手作りすることが重要なのではなく、重要なのは、その住まいで、どのような生活を実現させるのかというグランドデザインですから。

既製品を選ぶ理由は、やはりコストによることが多いので、住宅デザイン、コストデザインの見地から、できるだけ CP が高く、そのお住まいに調和するものを厳選します。
写真は、SUMiZ 南山田「光庭と回廊の2世代住宅」パナソニック製システムキッチンの例です。

しかしながら、既製品でもグレードが高めのものになると────価格差に説得力のない製品もよくありますが(苦笑)────価格が、カスタム設計手作りのそれと大して変わらなかったということもあります。

壁や床や風合いや、そのお住まいの一部としてカスタムメイドされた建具や設備は、手作りの暖かみもあってやはりいいものです。3月20日に現地「体験」会をを予定しておりますSUMiZ 篠原東、その手作りキッチンも悪くありません。 百聞より一見、現物を、ご覧になっていただければと思います。

2010年2月21日

南山田の家、お施主様と、フローリングにオイルを


SUMiZ が、無垢・無塗装のチークなどをフローリングに使ういちばんの理由は、裸足で、その質感や柔らかさを、その芳香を、20年30年と感じていただきたいからです。

(無垢ではない,ウレタン塗装されたそれに、さらに最近はやりのハードコーティングを施したしたものなどは、汚れにくいなど使いやすいですが、五感に訴えるものがありません)

無垢・無塗装フローリング材の場合、保湿、防水、防汚のため,オイルを引いて仕上げる必要があります。工場で処理すればすむことなのですが、SUMiZ では,お引き渡し前の最終仕上げとして、方法のインストラクションがてら、あえてお施主様とともにオイル引きをやっております。

バックナンバー「竣工は,完成ではなく,始まり」でも書きましたが、SUMiZ を、お施主様ご自身で可能な範囲で,メンテし,手を入れ、永く使い込んでいただきたいからです。
無垢フローリングのオイル引きは、通常3年に一度、水回りでは1年、寝室などは5年に一度と頻度は低いですが、業者に依頼すると結構な出費になります。
ご自分でできればお金もかかりませんし、安心ですし、お住まいに愛着も湧きます。


ホームセンターでふつうに売ってるオイルで構いませんし、作業も簡単です。ただ、屈んでの作業になりますので,皆さん、30分を過ぎると無口になりますが(苦笑)

2010年2月13日

スマイズは、ある意味、ハイコスト


スマイズは、ローコスト・ハイリターン、とサイトでも謳っておりますが、ローコストといっても、何でもかんでも叩いてコストカットしているわけではなく、無駄な作業を廃するとか、建材の産直仕入れとか、合理化効率化が主体で、建築家・諸我尚朗氏による設計とか、妥協せず最適選択する無垢木材とか、カスタムメイドの建具等々、かけるべきところにはコストを惜しみません(詳細はこちらのビルボード)

スマイズは、提案型分譲も手がけますが、基本、注文住宅です。
注文住宅の場合、現物がこの世にないのに、高額なものなのに、その、他との違いを伝えなければならないという難しさがあります。
たとえばクルマのように、ディラーを構えて、「この新型セダンの、アルカンターラのシートや革巻きステアリングの感触をお確かめください」などとは言えないわけです。
そういう意味でのチャンスは、現在も「光庭と回廊の二世代住宅」で告知していますが、
現地見学体験会だけです。
正直に言えば、五味は、スマイズを、皆様方全員に「体験」していただきたい。感触とか、居心地とか、住まいは、体験しなければ分からないですから。
スマイズを体験されずに、他一般と同列に評価されるのは非常に口惜しい……。
休題、思わず熱くなってしまいました (^_^;

そう、コストの話しです。スマイズでは、全物件、竣工時に、写真撮影を行っています。それも、国家プロジェクトも撮影する、一流の建築写真家に依頼し、五味も必ず立ち会い、カットを厳選し、精密に RAW現像し、アーカイブしています。
(写真はその一例。SUMiZ披露山グリーンハウス
もちろん、上記のとおり、この世にないものをプレゼンするために、作例を利用するという販促手段ではあります。が、それだけであれば、なにも全物件撮影する必要も、そこまでコストをかける必要もありません。
スマイズの住まいづくりは、お施主様と、諸我アーキテクトと、五味のジョイントベンチャーであり、竣工し、何十年と使われ続ける住まいはその結晶です。
お施主様への感謝、諸我アーキテクトへのリスペクト、五味自身の自負(ときには反省自戒)ゆえに、きちんと撮影、記録せずにはおれないのです。

2010年2月9日

不肖五味、拙宅(もちろんスマイズ)の、ある失敗に学ぶ


もちろん、オーナー様と密にディスカッションして決めるのですが、SUMiZ では、エコキュート給湯・オール電化をしばしば採用します。エコキュートは東京電力製、安価な深夜電気と高効率のヒートポンプによる貯湯、給湯システムです。
五味自宅もエコキュート・オール電化ですが、他のスマイズと違って、床暖房もエコキュートを使っています。
2006年の自宅計画当時、東電はエコキュートオプションの床暖房をしきりにアピールしていて──現在はなぜかトーンダウンして、ほとんど聞きませんが──それほどお勧めなら、と決めたのです。エコキュートで沸かした湯で暖められた不凍液を、フローリング下のパイプに循環させる仕組みです。
入居して3年強ですが、いままで不具合を感じたことはありませんでした。
真冬でも、日中の屋内は暖かく、床暖房の必要はなく、バスルームでも湯をふんだんに使えました。
ところがこの冬の横浜は霜柱が立つ寒い日がしばしばあり、いつものように遅く、23時頃帰宅すると、湯切れしているのです。床暖房は効かないし、風呂もぬるい。
自宅のエコキュートの場合、一晩に460リットルの熱湯を作りますが、寒い日、家族5人が使う湯量が増えると、それでは足りないようです。
床暖房対象の LDK が21畳、バスタブも420リットル(一般的には280リットル)と大型であることも影響しているのでしょう。
もちろん随時電気で追い焚きすることはできますが、高コストになりますし、それ以前に、暖房、給湯という、住まいのインフラについていちいち煩わされては快適ではありません。
幸い、五味自宅以外のスマイズはエコキュートオプションの床暖房を採用しておらず、安堵しておりますが、改めて、ローコストで快適な給湯、暖房について考えさせられました。
どういう床暖房が良いのか、いやむしろ不要じゃないか、それがなくても快適な他の空調手段、住宅デザインがあるのではないか……。担当建築家の諸我先生とは、会わない日も必ず密に連絡をとるのですが、課題がひとつ増えました。

2010年2月3日

SUMiZ 南山田「光庭と回廊の2世代住宅」いよいよ内装仕上げ



すでにご案内しておりますが、2月20-21、27-28日に見学会を予定しております SUMiZ 南山田「光庭と回廊のある家」、先日外装工事を終え、足場が外れました。
(7日追記。より完全な状態をご覧いただきたく、27−28日限定開催に変更させていただきました。ご容赦願います)
屋内もベースとなる部分は完成しております。ほとんど完成だね、と思われるかも知れませんが、じつはこれからが大変なのです。
いままでは、屋内には大工さんくらいしかいませんでしたが、内装仕上げ、設備工事に入りますと、電気、建具、フローリング、クロス、タイル、クロス、塗装……と、多種の業者さんが入れ替わり立ち替わり入るので、段取りと工程管理がたいへんなのです。
クオリティコントロールのため、その仕事も五味が担当しておりますが、正直、20日の見学会に間に合うか、ややびびっております (-。-;)
申し遅れましたが、この家、建物はひとつですが、外階段の、完全セパレート2世代住宅です。光庭と回廊によって、物理的にはセパレートながら、感覚的には空間を共有しているような親しみがあります……と、いろいろ "SUMiZ Design" を発揮しておりますので、是非ご覧になってください。
PS
写真では平凡に見えますが、足場や資材が見えないようフレーミングが制限され、かつ五味の撮影が下手なためと思われます (^_^;

2010年1月28日

「スイス漆喰の家巡り」バスツアーに参加しました



26日(火)、イケダコーポレーションさん主催、「スイス漆喰の家巡り」バスツアーに参加しました。同社は、スイスアルプス産の石灰石を原料に現地生産された本漆喰を輸入、カルクウォールという商品名で販売されています。
今回は、千葉市緑区土気(とけ)におもむき、内外装にカルクウォールを使った住宅4棟を見学、それらを施工された地元工務店専務氏の解説を伺います。
東京駅八重洲口近くのパーキングに朝10時集合、チャーターされた観光バスに乗り込むとほぼ満席でした。参加者は私と同様、首都圏の中小ハウスビルダー。少子高齢化、住宅不況……他と差別化しないと生き残れないという危機感と「自然素材」というキーワードゆえの満席なのでしょう。
4邸見学しましたが、スイス漆喰は高評価できるもので、SUMiZ への採用を検討しようと思いました。
ひとくちに漆喰といっても、それらの物性、単価は様々です。スイス漆喰は、自浄作用、抗菌防カビ性、再石灰化による軽メンテ長寿命等々優れた点が多々あるとのことです。
採用すればもちろん、相応のコストアップにつながります。しかし竣工時、スイス漆喰の外装と、他の単に白い塗り壁の差は、両者を並べて見較べでもしないと、見た目はそう変わりません。
にもかかわらず──漆喰に限りませんが──お施主様にやや高価になる前者を選んでもらうには、住み込まねば感じられないヘルシーさ、10年、20年の、時間軸上のコストパフォーマンスなど、見えず、そこにないことをプレゼンする説得力が、いやそれ以前に、なぜそれを採用したのかという──顧客利益につながる──ポリシーが欠かせません。
しばしば、この種のツアーや建材建具設備の見本市などに参加します。
もちろんSUMiZ をよりよくするための調査、勉強なのですが、他の収穫もあります。同業の方々がどんな姿勢で仕事に取り組んでおられるか肌で感じられることです。このツアーでも、前述、施工と、解説を担当された須藤ホームの須藤専務に共感し、啓発されました。ブレがないのです。たとえば、これと選んだ建材は、少なくとも10年は使い込む。でないと活きたデータが採れない……。
大手と違い、量的経営資源に劣る小さなハウスビルダーの武器は、顧客利益提供のための、独自の、ぶれない方針である。あらためて確認した一日でした。

2010年1月23日

"第九" のデザイン、住宅のデザイン


NHK だかの番組で、フィリップスとソニーによるCD開発秘話をやっておりまして、初めて知ったのですが、CDの音楽データ収録時間が、中途半端な74分になったのは、人類が創造した最高傑作のひとつ、ベートベンの ”第九” (交響曲第9番 二短調 作品125) 4楽章が収録できるようにとのこと。
私は恥ずかしくなりました。今年40歳になるのですが、生涯通じて、第九を──といいますかクラシックを──まともに、一度も聴いたことがなかったのです。
これはある意味ジンセイの喪失ではないかと、第九の CD を買いました、
荏田南から上大岡の会社までクルマで通うので、カーオーディオで聴いてみました。
(写真は、通勤の愛車を自宅ガレージに入れる五味です)
片道50分前後なので最後まで通しで聴けないのですが、すでに十数回はプレイバックしたでしょうか。
でも、いまだ、楽しめません。その深さが分かりません。
私は、ミスチルやエクサイルが好きでよく聴くのですが、それらポップスと第九の落差は、音楽という世界の広大さ、深さをを感じさせます。
考えてみれば、書かれて以来200年近くもの間、芸術遺産として演奏され、聴き継がれてきた第九を、素養ゼロの私が、そう簡単に楽しめるわけがないのかも知れません。芸術も、学問やスポーツと同様、「参加」するためには訓練が必要なのでしょう。
第九を聴きながら、ふと思ったのです。
住まいづくりも同じではないか。
ミスチルやエクサイルのように、分かりやすく、感情移入しやすい住宅デザインがあり、第九的なそれがある。第九的なほうが、高尚で価値があるというわけではなく、ポップスには第九が持ち得ない価値がある。そしてSUMiZ は、どちらかといえば第九的、あるいは第九を目指すべきではないかと。
建築家にデザインを依頼されるクライアントは、建て売りでは満たされないご希望があるゆえなのですが、そのご希望を、整理、洗練された住まいとして実現した場合、いわばポップス的で分かりやすく、早く、ご希望成就という意味で100点の結果が望めます。
SUMiZ は、お施主様のご希望を「読み」、細部ひとつひとつをディスカッションしつつ設計施工を進めてゆくことは無論ですが──場合によっては当初違和感を与えても──クライアントの生活洞察レベルが深い設計とし、住みこなされるにつれ、なるほど! この手があったかっ! あるいは20年後のリフォームでそのメリットがしみじみ分かるとか、200点、300点の結果をご提供したい。それは、建築だけではなく、「人間」も分かっていないと出来ない仕事なのですが。
(昨日アップした稿の一部を訂正しました)

2010年1月19日

年明け早々、3邸着々と竣工に向かっております!


あけましておめでとうございます! 
って、もう20日ですね(焦)
このブログも、30日以上空けての更新(汗)
じつは、ありがたいことなのですが、この年末年始、3物件の施工、多数(?)のご相談、提案が並行進行しておりまして、施工監理やなんやらで目を回しておりました。
南山田の家は、吹き付け──発泡ウレタン充塡──断熱施工を終え(写真)、造作工事も終盤を迎えようとしています。
篠原東の家は、外壁下地セメントボードの施工が始まりました。
鵠沼松ヶ丘の家は大きく、遮音壁、屋上緑化等ユニークな要素もあり、クライアントのS様と1つ1つ詰めています。(右記の通り、今週末に現地見学会を予定しております)
忙殺されているあいだに、次の施工が近づく、めまぐるしい年明けとなりました。
本年は、なるべくブログをさぼらず、このサイトも、炭防蟻や漆喰など、住まいづくりに役立つ自然素材コラムなど、充実させてゆく予定です。
現地見学会だけではなく、本社ショールームでの、お客様の利益になるイベントもできればなどと、いろいろ想を膨らませております。
相変わらず至らない五味ですが、本年もよろしくお願い致します。