2011年5月23日

本物、ミニマル、合理的。ノンリフォームで30年間快適であること


■今年1月にお引き渡しした、SUMiZ鵠沼海岸K氏邸に、アフターケアでお邪魔するたび嬉しくなります。
「倉庫のようでいい」と、シンプルで広々としたリビング(上写真)をご希望されたオーナー、そのリビングには、タンノイのインパルス(スピーカー)、大阪トラックファニチャーのソファ、イームズのアンティークチェア。キッチンには、日本製ではなくGEの冷蔵庫……。現在は「工場にあるような」金属製のラックをお探しとのことです。
センスがいい、っていうのは上から目線ですね(汗)、それにもともと、デザインやセンスの評価なんて、個人個人の主観によるものだから、いいだろ! っていうのは違いますし。
言いたかったのは、オーナーがお選びの家具などが、とても「SUMiZ的」だと感じたことです。実は左のフォトコラム "SUMiZ LIKE" も、Kさんのリビングに触発されて始めたのです。
「SUMiZ的」とは?
ひとつは「本物」であることです。SUMiZは原則として、たとえばフローリング材として、15ミリ厚チークなどの無垢材を使います。(K氏邸は別の「本物」材を使っていますが)
一般的なフローリング材は、1mm2mm厚の化粧薄木を合板に貼ったもので、マンションなら100%合板フローリング、戸建ての注文住宅でも、無垢材のフローリングを使う例はごく稀です。
合板の場合、表材が痛むと貼り替えるしかありませんが、無垢なら経年により風合いが深まり、傷も「味」になり、簡単な手入れで30年間はリフォーム不要、結局経済的といえます。
もうひとつは「ミニマル」。写真下は、鵠沼海岸ではなく、SUMiZ上菅田ですが、サニタリーの照明は裸電球ならぬ──裸電球もよく採用しますが──裸蛍光灯です。安っぽいプラスティックカバーがついたそれとどちらがいいですか? オーナーは、夜、白壁に映る光の表情がいいと言ってくださいます。コストは、かけるべきところ(無垢フローリングなど)にかけるべきです。
外灯にはしばしば「本物」の船舶灯を使います。デザインに、住宅設備メーカーのそれのような(あいまいな)装飾性がなく、機能一徹、耐候性もこれ以上はなく、合理的といえます。

2011年5月4日

SUMiZ横浜南・難条件プロジェクト-02▶鋼管杭を打ち、基礎を固め

 SUMiZ港南、前々回「ひな壇状の敷地を……」の続報です。
基礎工事にかかっています。
まず、定められた方法で地盤の支持力や状態を調べ、結果に応じた基礎を作るのですが、六ツ川の場合、ひな壇の下段は良好、上段は若干弱かったため、写真のように鋼管杭を打ちました。
住宅の基礎は、布基礎とベタ基礎に大別され、前者は枡形の枠のような形状、後者、ベタ基礎はそれに底盤を加えた──フタを取ったタッパーのような──形状になります。
つまり、面で支えるので支持力が高い。専門的に言えば、単位面積あたりの荷重が小さくなって支持地盤への負担が減ります。基礎全体の剛性が高いため、不同沈下を起こしにくく、地震の揺れや液状化にも強いのです。311大震災の液状化で、周囲の地盤が沈下しているのに、そのままの状態で無事な家屋や店舗がありましたが、しっかりした杭とベタ基礎のおかげと思われます。
港南も同様に、杭頭とRCのベタ基礎はコンクリートで一体化され、ベタ基礎と住宅はホールダウンという方法で緊結されます。ベタ基礎はまた、地面からの湿気をガードするため快適、シロアリも発生しにくく、住まいの寿命を延ばします。