2009年12月16日

竣工は、完成ではなく、はじまり



SUMiZ 披露山・陶芸家とサーファーの家、T 様邸の竣工1年点検に伺いました。
LIFE DESIGNS でも紹介させていただきましたが、奥様がプロの陶芸家で、自邸の1階に本格的な陶芸工房と、断熱壁に囲まれた窯部屋を設けています。
工房は機能を優先し、コストを抑えるためにも、ラーチ合板張り・仕上げ無しとしました(写真下)
汚れが気にならず、画鋲でメモを留めたり、木ねじを使って棚を造り付けるなど自在に使えます。
そのラーチ合板壁、しばらくぶりにお邪魔すると、真っ白になっていました。伺えば、ホームセンターでペンキとローラーを買い、ご夫婦で塗られたのこと。
「マスキングが大変だった」「ここちょっと失敗」などと楽しく作業を語って下さいました。プロに頼んだほうが、そりゃあキレイに仕上がったでしょうが、ペンキ特有の暖かみがあり、なによりご夫婦の気持ちがこもって、工房全体が、アナログ的な心地よい空間になっていました。ペンキの上にペンキを重ね、この工房も、ご夫婦と一緒にしんしんと年輪を重ねてゆくのでしょう。
HOUSE + FAMILY = HOME
竣工は、完成ではなく、はじまりです。
T 様邸の陶芸工房は珍しい例ですが、SUMiZ はどの家でも、基礎やスケルトンは万全に、しかしある意味未完成で、オーナー様ご自身が、より心地よい住まい方を考え、発見できる、フレキシブルな暮らしの器であるよう設計しています。


1年点検、ご指摘いただいたのは、玄関ドアの建て付け調整と内装巾木の浮きでした。前者は業者に依頼しましたが、巾木はご主人と五味とで DIY補修しました。私はクルマいじりが好きなのですが、家も然り。自分で手を入れ、暮らしに馴染ませてゆくことは、楽しく、素敵な行いであると、改めて感じました。


PS ■奥様、陶芸体験教室開催のご予定がありますので、ご興味がある方は、こちらまでご連絡ください。

2009年12月3日

シロアリ対策も自然素材で


SUMiZ 南山田の家。基礎が完成し、オーナーの T様ご家族とともに防蟻(シロアリ対策)防腐施工をしました。防蟻には一般に薬剤、つまり殺虫剤を使いますが、それがシックハウス症候群の原因になりかねません。SUMiZ は薬剤ではなく、木質系天然素材──活性炭など──を使います。安全で、効果も高く、アトピー性の喘息を患っておられるお子さまも施工に参加されました。
写真のように、基礎底盤含め隅々まで、さらに上棟後柱に施工することにより万全を期します。
見えなくなる部分ですが、何より優先させるべきはご家族の健康です。薬剤防蟻よりイニシャルコストは若干嵩みますが、住宅の健康を保ち、永く安全に住まえ、長期的維持コストを抑えます。

(炭の効果については、後日詳細コンテンツをアップする予定です)

2009年11月26日

ご家族とともに(物理的に)成長する住まい


先日、お引渡し半年の SUMiZ オーナー・T 様から、ウッドデッキ増設のご相談をいただきました。
用途などを伺い、担当建築家・諸我氏の事務所アトリエアルクに設計を依頼、デザインとコストを提案致しました。
SUMiZ の7つの基礎性能のひとつ "Flexible Floor" 、広く、多用途、可塑的に使えるインフィルとして、使い勝手を高め、空間の無駄を無くします。
"Flexible Floor" には時間軸上のそれも含まれます。極端にいえば、たとえば新築時、ご夫婦だけでご予算の余裕もない。だから1階は壁も床も仕上げずコンクリート床の土間的空間にし、ガレージやサーフボードラックなど趣味に使う。
将来お子さまができたり、ご両親と同居することになったら、壁を張り建具を設けてリビングスペースとする。
住まいを、ある意味完成品ではなく、ご家族とともに成長するものとして設計すると、永く使え、中長期的コストも抑えられます。
(その逆、融通の利かない住宅だと、ライフスタイルが変化したとき建て替えるしかなくなったりします)
SUMiZ は元来フレキシブルな設計になっていますし、お引き渡しの10年後20年後も、──よろしければ──同じく私たちがサポート致します。同じ建築家による一貫したデザインポリシーで、同じ建材で、ローコストで、新しい暮らしをバックアップします。


■T様邸玄関に、家庭菜園ご主人謹製の朝採り野菜が。無農薬オーガニックで、泥つき虫つきなので、外水栓で洗うところとのことです。

2009年11月22日

不肖五味、天にも昇る心持ちでありました!


遅くなりましたが、「SUMiZ 妙蓮寺の家・完成見学会」へのたくさんのご来場、ありがとうございました!
オーナー様セキュリティ配慮のためウエブに地図を載せるわけにはゆかず、やや分かりにくい場所でもあったため、少し迷われたお客様もおられ、申し訳ありませんでした。
この邸宅、こちらでも紹介させていただいておりますが、インナーバルコニーや手作りのキッチンなど、内覧された皆様の、なんといいますか、理性ではなく感性からの
「いいねぇ」「わぁすごい」という歓声をいただき、不肖五味、施工のこの半年、通い詰めた甲斐あり、早速、具体的な相談をしたいと仰ってくださるご家族もおられ、天にも昇る心持ちでありました。
ご来場の皆様、そして見学会の機会をお与えいただいた施主の I 様、重ねて感謝いたします。
先日、 I 様の夢と熱意の結晶であるこの住まいをお引き渡し致しましたが、その時の奥様の笑顔が忘れられません。
これからも、皆様に喜んでいただけますよう専心努力をして参ります。
■次回の見学内覧会は、12月5ー6、12ー13日、「SUMiZ 辻堂の家」です。 
よろしければ是非、遊びに来てください。

2009年11月2日

建築家・諸我尚朗氏に全設計を依頼している理由


建築家とのコラボを売りにしているハウスメーカーはたくさんあります。複数の建築家と契約し、建築家を選べるサービスも。ビジネスを考えれば、建築家を揃え、受注件数を稼ぐ方が得策とはいえ──建築家それぞれの設計や採用建材は個性的ですから──「効率化」のため設計や建材に一定の制限を課すケースも見受けられます。
この場合、その建築家に設計を依頼したことになるのでしょうか?
さらに言えば「お好みの建築家を選べる」ことが「顧客利益」でしょうか?
総花的にオプションを揃えても、建築への理解が必ずしも深くないお客様の、ご利益になる選択につながるとは限りません。
プロであれば、この建築家がベスト、と確信をもって提案すべきだと思います。
私は、住宅業界での長い経験、自宅の設計を依頼、その結果等々から、確信をもって、スマイズの全設計を、諸我尚朗氏(写真)に依頼、全面的協力を仰いでいます。

2009年11月1日

I氏邸プラン・セカンドプレゼンテーション


「住宅計画調書」と、名称もモノモノしいのですが、SUMiZ では、ご相談いただいたお客様に、まず「調書」を取らせていただいております(笑)。
担当建築家の諸我氏が作ったもので、A4用紙で5枚ほど、ご家族構成やライフプラン、クルマの台数、持ち込み家具、ご家族揃って夕食をとられる頻度、自宅に仕事を持ち帰りになることがおありか、等々質問させていただき、ご希望等を伺います。
具体的な条件・状況を詳しく知りたいことはむろんですが、これは医師が行う「問診」でもあります。おなかが痛いと訴えられても、おながが悪いとは限りません。お客様ご自身も気づいておられない潜在的なご要望をも明らかにできればと、調書の行間まで熟読します。
それを頭に置き、現地を検分し、お客様の生のお声をお聞かせいただき、第一案をプレゼン、ヒアリングを重ねてさらに詰め、ご同意をいただけましたらセカンドプレゼンテーション、模型を作って具体的にそこでの暮らしを具体的にイメージしていただき……と進めてゆきます。
本日、I氏邸の模型が完成、ご主人にプレゼンいたしました。第一案から機能等グレードアップしており、幸い、たいへんご満足をいただきました。残念ながら、お子さまが風邪を召され、看病の奥様もお見えになられませんでしたが、「この案なら妻も」と喜んで模型をお持ち帰りになられました。
ほっとし、同時に改めて身が引きしまる瞬間です。
プランづくりとプレゼンは建築家の仕事ですが、同席する私も、資金計画の「設計」などで頭がいっぱいです。まだまだ先は長い。竣工し、無事ご入居されてから、10年20年とおつきあいさせていただくのですから。


PS

拙宅の6歳と4歳の息子、看病の妻もインフルエンザで寝込んでしまいました。バカな私ひとりは元気なのですが (苦笑)。今回のインフルエンザは人ごとではありません。皆様も予防を怠ることなく、重ねてご自愛ください。

YKK-AP 樹脂サッシを諸我先生とチェック


担当いただいている建築家の諸我氏と YKK-AP の品川ショールームへ行ってきました。。
(写真手前が私、奥が諸我先生です)
YKK-APといえば、アルミサッシのトップメーカーですが、今回は、樹脂サッシの視察です。
ディティール、質感、塗装品質など、実際に触ってみなければわかりません。
価格はやや高いものの、デザイン、質感は悪くなく、品質と保証体制は評価に値するものでした。
が、なんといってもその断熱性能、神奈川県の次世代省エネルギー基準・対策等級4をはるかに上まるものでした。住宅の断熱性はサッシだけで決まるものではないですが、SUMiZ の今後のオプションに加える価値あり、足を運んだ甲斐はありました。

2009年10月29日

ふたつのコストパフォーマンス


コストパフォーマンスには2種類があると思います。
ひとつは、施工や、入居後のランニングコストを抑える設計とするなど、大きな意味で費用対効果を上げること。
もうひとつは、コスト配分を「編集」して、暮らしを「上質」にする住まいを実現することです。
たとえば、18帖のリビングを2帖増やして20帖にしても大して変わりませんが、2帖のサニタリーを4帖にすると、暮らし心地は大きく変わります。
そういう意味で、SUMiZ ではしばしばヒノキ風呂を提案します。お風呂は "FAMILY DINING" と同様、暮らしのオアシスですから。
ヒノキ風呂というと、皆さん、鄙びた旅館の、黒ずんでカビたそれをご想像されるかもしれませんが、SUMiZ では、浴槽から上の壁面と天井の下地に防水処理を施し、ヒノキの縁故板を張り、超撥水塗装材を塗布。ある種つるりと清潔に仕上がります。
我が家(SUMiZ南荏田コートハウス)のヒノキ風呂も、入居3年ほど経ちますが、黒ずみやカビは見当たりません。しっかり手入れをしているから、ではなく、入浴後の換気と、1ヶ月に1回、濡れたタオルで拭くくらいです。
写真は、竣工間近、「妙蓮寺の家」のヒノキ風呂です。撥水材によって多少ヒノキの香りは軽減されるかも知れませんが、充分に香っています。
11月7−8日、14−15日に、内覧会を予定しております。
お問い合わせ、ご予約はこちら。

2009年10月24日

住宅の基礎性能を左右する、基礎、構造、そして断熱


SUMiZ 辻堂太平台の家、吹付け(フォーミング)による断熱層施工が終わり一段落、外部工事と並行して、内装造作工事に入ります。
断熱の施工を終えるとほっとするのは、断熱は、基礎、構造とともに、住宅の基礎性能を決定する重要要素であるからです。
一般的には、冬暖かく夏涼しく、空調効率を高めるなどとしか知られていませんが、断熱には、気密性、防音性、内部結露を防ぎ構造材を守るなど、多くの重要な役割があります。
現在、エコ、省エネ、200年住宅といった要求から、ことに断熱に関する R&D が進んでいます。
少し前まで主流だった、グラスウールを詰めた座布団様の断熱材は、断熱層に隙間ができるなどの欠点があります。しかし施工がラクなので、現在も採用しているハウスメーカーは少なくありません。新しいところでは、古紙を原材料にしたセルローズファイバーなど高性能な断熱新素材も開発されていますが、非常に高額なため、弊社での施工は未だありません。
SUMiZ の "STANDARD" はフォーミング断熱(写真)です。フォーミングにより断熱材が隅々まで充塡されるなど、断熱性能、信頼性、コストパフォーマンスが高いからです。
家づくりをお考えでしたら、断熱は、その素材、工法(外断熱工法など)、しっかり検討すべきです。
※断熱は重要なテーマなので、後日、本サイト "STANDARD" コーナーに小特集をアップする予定です。

無垢の木製引き戸を現場で手作り


昨日(10月23日)、SUMiZ 辻堂太平台の現場で大工さんと施工打ち合わせをしました。
打ち合わせ中も大工さんは手を休めず、カンナで、玄関ドア枠のビス穴を隠す埋め木を削り、つらいち(平滑面。写真参照)にする作業を進めていました。
建具や設備は、既製の完成品をポン付けするとか、プラモデルのように組み立てて設置するのが一般的ですが、SUMiZ ではその物件ごとに専用設計された建具や設備を、現場で手作りすることが多々あります。
SUMiZ 辻堂太平台では、お施主様が木製引き戸の玄関をご希望され、この場合引き戸だけではなく、その枠も手作りする必要があり、無垢の木材を加工、前記の作業となりました。
上は一例ですが、カスタムメイクのため、大工さんのみならず、建具、塗装、外壁、板金、多くの専門業者と現場で打ち合わせを重ねる必要があります。
担当建築家の諸我氏もしばしば参加しますが、両者とも妥協しないので、ディスカッションが白熱してくるとまるで口喧嘩。間に挟まれた私ははらはら、中間管理職の辛さを切実に感じております(苦笑)

2009年10月18日

チームSUMiZの大工さんさえ泣かせる"アマゾンジャラ "



SUMiZ 妙蓮寺の家、竣工間近です。外部ウッドデッキの施工も完了し、内装の完了を待つばかりです。
写真のウッドデッキには、SUMiZ 定番の、アマゾンジャラ材を使っています。一般的には、レッドシダー(米杉)材にキシラデコール(防腐剤)を塗布しますが、アマゾンジャラは、無塗装でメンテナンスフリー、20年やそこらでは腐らず、いい感じのグレイに経年美化します。
しかしこのアマゾンジャラ材、高価で硬く、施工が大変、初めて扱う大工さんは、ノミやノコの刃を駄目にするその硬さに驚きます。私の厳しい要求に慣れているはず (?) の チーム SUMiZの大工さんも、デッキが大きいと決して嬉しそうではありません。とはいえ、SUMiZの家はほぼ100%、広いデッキが設けられるのですが (汗)
大工さんたちはしかし、20年、30年とご家族を楽しませるこのデッキを黙々と造って下さいます。
■専門的であまり知られていない建材や工法の話しは今後、このブログで随時語らせていただきます。
PS.
■SUMiZ妙蓮寺の家は、11月7日より現地見学内覧ができます。
(詳細はこのページ右肩)
(ご予約、お問い合わせはこちら)


2009年10月16日

いつも仕事仕事のお父さんですが


10月14日(水)、 紅葉を観に日光へ。東照宮(世界遺産!)にも行ってきました。中学の遠足(?)以来、25年ぶりですが、その広壮な建築、繊細な細部の造りこみに、目を奪われ、家族ほっぽらかしで、観察&撮影をしました。
戦国武将ブームも手伝ってか、すごい人で、ゆっくり見られませんでしたが、東照宮や華厳の滝、紅葉の美しさは、人出とは関係なく、癒され、いつも仕事仕事のお父さんは、少し家族サービスができたかな、と自己満足しましたが、往復6時間のドライブ、翌日は仕事、プラスマイナスゼロなかんじです(苦笑)

檜風呂、ミストサウナ計画、復活!

10月10日(土)大安、SUMiZ 北山田の家(仮称)。お住まいの敷地での、2世代住宅への建て替えです。無事、解体工事が終わり、一部ディティールを残し、設計含め建築計画が完成したので、今月末の着工に向け、地鎮祭を執り行いました。台風一過で天候も良く、晴れ晴れとした気持ちで、工事の安全と、幸福な新居の実現を祈りました。お施主様は、長く住まわれた旧宅の解体を寂しく感じておられたようでしたが、この日は気持ちが新居に向き、来年3月予定の竣工が待ちきれないとのことでした。予算管理は、住宅と同様、「設計」が必要な仕事です。現地、設計図書、見積もりを何十回と見直し、本体工事コストのみならず、引越し費用や将来的な顧客利益までも考慮に入れ、合理的で無駄がなく、透明性の高い資金計画を立ててゆきます。その過程で不確定要素ももちろん発生します。ことに地盤改良の要不要は、調査せねば分からず、大きなコスト負担をもたらしかねません。
先週、本件の地盤調査を行いましたが、地盤改良工事不要との判定、ホッとしました。
保留になっていた、お父様ご希望の檜風呂と、娘様世帯のミストサウナが実現でき、ご家族の笑顔をいただけました。
工事の進捗は、このブログにてご報告いたします。

2009年10月9日

お客様の言葉に、こみあげる (泣)

先月のことですが、2年前に、SUMIZのある物件をご購入いただいたお客様から連絡がありました。伺えば、経済的な事由により、売却されるとのこと。
「いつかまた、SUMiZで建てるからね」とおっしゃって下さり、私も、もっといい家が建てられるようにしますと約して別れました。寂しくもあり、同時に、この仕事の価値と責務を、改めて知らしめられ、気合いを入れ直しました。

台風直撃下、防水チェックに

本日、台風18号によるトラブルはないかと、風雨をついて現場チェックに。
SUMiZ 妙蓮寺の家を点検していたところ、何世代もここにお住まいの隣地の方が、それでなくても風が吹き抜ける場所なので、台風の時は凄いのよ、とのこと。なるほど、ランドマークやベイブリッジ、東京湾まで見通せる。
しかし、もちろん、妙蓮寺の家は何も異常はありませんでした。
防水性のみならず、安心してお住まいいただけるように、細心の注意を持って、施工しています。
また、SUMiZ 辻堂太平台の家は、外部防水施工前でしたので、風雨でかなり、外合板が濡れてしまいました、よって、明日から予定しておりました、外壁防水紙の施工を、来週に延期しました。施工品質を高めるため、外合板を乾かす必要があるからです。